不祥事マップ
企業独占禁止法違反(談合)・行政処分(営業停止命令)経過観測中

鹿島建設と大成建設に国交省が営業停止命令(11月7日〜2027年3月6日) リニア中央新幹線の駅工事談合で有罪確定、全国の民間土木工事が対象 静岡工区の着工は来春以降に

対象組織:鹿島建設株式会社・大成建設株式会社

発生(とされる時期)
2014年4月〜2015年8月ごろ
公表・報道
2026-10-23
最終更新
2026-10-25

時系列(最初から)

  1. 2014年4月〜2015年8月ごろ・発生(とされる時期)
  2. 2017-12-08・続報
    東京地検が、リニア中央新幹線の工事をめぐる偽計業務妨害の疑いで大林組を捜索。
  3. 2018-03-23・続報
    公正取引委員会が大林組・清水建設・大成建設・鹿島建設の4社と、大成建設・鹿島建設の担当者2人を独占禁止法違反で検事総長に告発。東京地検が起訴。
  4. 2018-10-22・続報
    東京地裁が大林組に罰金2億円、清水建設に罰金1億8,000万円の判決(確定)。
  5. 2020-12-22・続報
    公取委が4社に排除措置命令。大林組・清水建設に課徴金計43億2,170万円の納付命令。
  6. 2021-03-01・続報
    東京地裁が大成建設・鹿島建設にそれぞれ罰金2億5,000万円、元社員2人に懲役1年6月・執行猶予3年の判決。
  7. 2023-03-02・続報
    東京高裁が控訴を棄却。
  8. 2024-06-27・続報
    排除措置命令の取り消しを求めた大成建設・鹿島建設の訴えを、東京地裁が棄却。
  9. 2026-09-14・続報
    最高裁第3小法廷が両社と元社員2人の上告を棄却する決定(刑は9月19日に確定)。
  10. 2026-10-23・公表・報道
  11. 2026-10-23・続報
    国交省関東地方整備局が両社に営業停止命令(全国の民間土木工事、11月7日〜2027年3月6日の120日間)。大成建設は排除措置命令取消訴訟の上告などの取り下げを発表。JR東海は静岡工区の着工は2027年3月6日まではできないとの見方を示す。

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概要・経緯(公表事実の整理)

【何が起きたか】国土交通省関東地方整備局は2026年10月23日、鹿島建設株式会社(本社・東京都港区)と大成建設株式会社(本社・東京都新宿区)に、建設業法第28条第3項に基づく営業停止を命じた。停止するのは「全国における土木工事業に関する営業のうち、民間工事に係るもの」で、期間は2026年11月7日から2027年3月6日までの120日間。JR東海が発注したリニア中央新幹線の品川駅・名古屋駅の新設工事をめぐる独占禁止法違反(不当な取引制限)事件で、両社と元社員2人の有罪判決が9月に確定したことが理由。 【処分の内容(国交省関東地方整備局の発表)】 ・停止する営業:全国の土木工事業(土木一式工事を請け負う営業)のうち、民間工事に係るもの。「民間工事」は、国・地方公共団体・公共法人などが発注する工事以外の工事をいう。 ・期間:2026年11月7日〜2027年3月6日(120日間)。 ・処分理由:両社と元社員は、リニア中央新幹線(品川駅・名古屋駅間)の地下開削工法によるターミナル駅新設工事の受注で競争を実質的に制限したとして、2021年3月1日に会社は罰金刑、元社員は懲役刑の判決を受け、2026年9月19日に刑が確定した。これが建設業法第28条第1項第2号・第3号に当たるとした。 ・時事通信は、対象は全国の新たな民間土木工事だと報じた。 【事件の経緯】 ・2017年12月8日:東京地検が、リニア中央新幹線の工事をめぐる偽計業務妨害の疑いで大林組を捜索した。公正取引委員会の調査は12月18日に始まった(2024年6月27日の東京地裁判決文)。 ・2018年3月23日:公取委が、大林組・清水建設・大成建設・鹿島建設の4社と、大成建設・鹿島建設で受注業務に従事していた2人を検事総長に告発し、東京地検が起訴した。公取委は、2014年4月下旬ごろから2015年8月下旬ごろにかけて、4社の担当者が東京都内の飲食店などで受注予定の会社を決め、見積価格の情報を伝え合うなどしたとしている。 ・2018年10月22日:東京地裁は大林組に罰金2億円、清水建設に罰金1億8,000万円の判決を言い渡し、確定した。2社は公取委に違反を自主申告する課徴金減免申請をしていた。 ・2020年12月22日:公取委が4社に排除措置命令を出し、大林組(31億1,839万円)と清水建設(12億331万円)に課徴金計43億2,170万円の納付を命じた。鹿島建設と大成建設は対象の工事を受注していないため、課徴金の対象にならなかった。 ・2021年3月1日:東京地裁が大成建設と鹿島建設にそれぞれ罰金2億5,000万円、大成建設の元土木営業本部営業部統括営業部長と鹿島建設の元土木営業本部副本部長にそれぞれ懲役1年6月・執行猶予3年の判決を言い渡した。両社は無罪を主張していた(FNN)。 ・2023年3月2日:東京高裁が控訴を棄却した。 ・2024年6月27日:排除措置命令の取り消しを求めた大成建設と鹿島建設の訴えを、東京地裁が棄却した。 ・2026年9月14日:最高裁第3小法廷が、両社と元社員2人の上告を棄却する決定をした(共同通信、大成建設の発表)。国交省によると、刑は9月19日に確定した。 ・2026年10月23日:国交省関東地方整備局が両社に営業停止を命じた。 【両社の説明(10月23日の適時開示)】 ・鹿島建設:株主・取引先などに「多大なるご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」とし、「今回の処分を厳粛に受け止め、役員・従業員一同、コンプライアンスの一層の徹底を図り、信頼回復に努めてまいります」としている。 ・大成建設:「今般の処分を厳粛に受け止め、これまでの取り組みを一層徹底するとともに、引き続き、法令遵守及びコンプライアンス体制の実効性向上に努めてまいります」としている。2018年以降の再発防止策として、同業他社との会合への参加の事前届出、営業部門と同業他社の間のメールの監視、社内の自主申告(社内リニエンシー)制度などを挙げた。あわせて、公取委の排除措置命令の取り消しを求めて最高裁に上告していたが、これを取り下げると発表した。 【影響(リニア中央新幹線の静岡工区)】 ・JR東海は2017年11月、静岡工区の工事契約を大成建設を代表とする共同企業体(JV)と結んでいる。2026年7月に静岡県が着工を認める協定をJR東海と結び、契約の更新を含む協議を進めていた(読売新聞、朝日新聞)。 ・JR東海は10月23日、営業停止の間は協議を進められず、静岡工区のトンネル掘削工事には2027年3月6日までは着手できないとの見方を示し、「大変遺憾」とのコメントを出した(共同通信、朝日新聞、CBCテレビ)。処分が終わった後、速やかに協議を再開したいとしている。 ・JR東海は、品川〜名古屋間の開業時期を年内に示す予定は変えないとしている(読売新聞、CBCテレビ)。 【責任者】 ・鹿島建設:代表取締役社長 桐生雅文氏(国交省の発表・同社の適時開示)。 ・大成建設:代表取締役社長 相川善郎氏(同)。 ・有罪が確定した元社員2人の氏名は、国交省・公取委の発表や公取委が公開している判決文に記載されていない。 ・10月23日の両社の発表に、役員の処分や報酬の返上は書かれていない。 【確認できていないこと(10月25日時点)】 ・鹿島建設が起こした排除措置命令の取消訴訟が、2024年6月の東京地裁判決の後どうなったか。 ・営業停止による業績への影響(両社の10月23日の発表に記載はない)。 ・同じ事件で罰金刑が確定した大林組と清水建設が、建設業法に基づく処分を受けたかどうか(今回調べた資料では確認できていない)。

その後の経過

  • 2017-12-08東京地検が、リニア中央新幹線の工事をめぐる偽計業務妨害の疑いで大林組を捜索。
  • 2018-03-23公正取引委員会が大林組・清水建設・大成建設・鹿島建設の4社と、大成建設・鹿島建設の担当者2人を独占禁止法違反で検事総長に告発。東京地検が起訴。
  • 2018-10-22東京地裁が大林組に罰金2億円、清水建設に罰金1億8,000万円の判決(確定)。
  • 2020-12-22公取委が4社に排除措置命令。大林組・清水建設に課徴金計43億2,170万円の納付命令。
  • 2021-03-01東京地裁が大成建設・鹿島建設にそれぞれ罰金2億5,000万円、元社員2人に懲役1年6月・執行猶予3年の判決。
  • 2023-03-02東京高裁が控訴を棄却。
  • 2024-06-27排除措置命令の取り消しを求めた大成建設・鹿島建設の訴えを、東京地裁が棄却。
  • 2026-09-14最高裁第3小法廷が両社と元社員2人の上告を棄却する決定(刑は9月19日に確定)。
  • 2026-10-23国交省関東地方整備局が両社に営業停止命令(全国の民間土木工事、11月7日〜2027年3月6日の120日間)。大成建設は排除措置命令取消訴訟の上告などの取り下げを発表。JR東海は静岡工区の着工は2027年3月6日まではできないとの見方を示す。

出典

本サイトは公表された事実と一次報道を出典付きで整理したものであり、断定・評価を目的としません。訂正のご連絡は問い合わせ先まで。

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