報道機関個人情報流出(不正アクセス・不正ログイン)経過観測中
日本経済新聞社、不正アクセスで約183万件の個人情報が漏洩 10月だけで3件目の公表、2週間前の社説では他社の情報管理を「ずさんすぎる」と批判
対象組織:株式会社日本経済新聞社
- 発生(とされる時期)
- 2026-10-07
- 公表・報道
- 2026-10-16
- 最終更新
- 2026-10-16
時系列(最初から)
- 2025-01-31・続報法人契約企業15社への閲読実績の過大報告を公表(3社で計174万5040円の過大請求)。
- 2025-11-04・続報Slackへの不正ログインで1万7,368人分の情報が流出した疑いを公表。
- 2026-05-07・続報米国子会社Nikkei AmericaのMicrosoft 365に不正ログイン、291人分が漏洩の可能性と公表。
- 2026-09-15・続報広告冊子「THE NIKKEI MAGAZINE」の広告料金過大請求を公表(/incident/10)。
- 2026-10-02・続報社説「パーク24の情報管理はずさんすぎる」を掲載。
- 2026-10-04・続報Microsoft 365への不正ログイン(なりすましメール約9,000件)と、Google Workspaceへの不正ログイン(1,646人分)の2件を公表。
- 2026-10-07・発生(とされる時期)
- 2026-10-11・続報183万件の漏洩について個人情報保護委員会に報告。
- 2026-10-15・続報片山財務相が会見で、G20をめぐる日経の記事の「事前協議」の記述を否定(日経の訂正は確認できず)。
- 2026-10-16・公表・報道
概要・経緯(公表事実の整理)
【何が起きたか】日本経済新聞社は2026年10月16日、システム開発に使っているクラウドサービスに不正アクセスを受け、約183万件の個人情報が漏洩したと発表した。クラウドに入るための認証情報(ログインに使う鍵)が何らかの手段で盗まれ、10月7日未明から朝にかけて不正にアクセスされたとしている。個人情報保護委員会には10月11日に報告していた。
【漏洩した情報】約183万件のうち、氏名・メールアドレス・住所・電話番号・生年月日のいずれかを含むものが約15万件(うちメールアドレスを含むものは約12万件)、それだけでは個人を特定できない識別子のみのものが約168万件。クレジットカード情報は含まれないとしている。16日時点で、悪用などの二次被害や、システム停止・データ改ざんは確認されていない。発表文では、どのサービスの利用者の情報かは示されていない。
【会社の対応】使われた認証情報を無効化した。侵害の範囲と漏洩した情報を精査中で、漏洩が確認された人には個別に通知する。「深くおわび申し上げます」としている。問い合わせは同社のお問い合わせフォーム。
【10月4日にも2件を公表】
・Microsoft 365への不正ログイン:社員のアカウントに第三者が不正にログインし、9月30日に悪性サイトへ誘導するなりすましメール約9,000件が送られた。送信先のメールアドレスと氏名、一部のメールの内容が漏洩したとみられる。送信先には個別に連絡し、メールの削除を依頼した。
・Google Workspaceへの不正ログイン:7月下旬以降、社員のアカウントに外部から不正ログインされ、社員や取引先など1,646人分のメールアドレスや氏名などが漏洩した疑いがある。8月上旬にグーグルからの通知で判明しており、公表まで約2か月かかった。読者や取材先の情報は含まれないとしている。
【これまでに公表された主な不祥事(同社のお知らせ一覧より)】
・2025年1月31日:法人契約の「日経電子版」などで、契約企業15社に閲読者数などを実際より多く報告していた(2021〜24年、社員1人が「実績をよりよく見せたかった」。3社で計174万5040円の過大請求)。
・2025年11月4日:業務用チャット「Slack」への不正ログイン。社員の私物パソコンがウイルスに感染して認証情報が流出し、1万7,368人分の氏名・メールアドレス・チャット履歴が流出した疑い(9月に把握)。報道目的の個人情報は報告義務の対象外だが、個人情報保護委員会に任意で報告した。
・2026年5月7日:米国子会社Nikkei Americaの社員のMicrosoft 365アカウントに不正ログイン。取引先になりすましメールが送られ、291人分の情報が漏洩した可能性。
・2026年9月15日:日経に折り込む広告冊子「THE NIKKEI MAGAZINE」で、発行部数を多く示して広告主2社に過大請求(/incident/10)。
【社説との食い違い】日経は10月2日の社説「パーク24の情報管理はずさんすぎる」で、タイムズカーの個人情報流出(/incident/17)について、悪用されるリスクの高い個人情報を大量に抱えながら、あまりにずさんな管理だったと批判し、退会者の免許証画像を長く保持していた点も問題視していた。その2日後に自社の不正ログイン2件を、2週間後に183万件の漏洩を公表したことになる。なお、パーク24の件は運転免許証画像などの本人確認書類約160万件を含む最大約660万件で、漏洩した情報の種類と規模は異なる。日経は自社の件も電子版で「日経、個人情報183万件漏洩 不正アクセスで」として報じたが、社説で取り上げたかは10月16日時点で確認できていない。
【報道内容をめぐる指摘(参考・未決着)】10月15日、片山さつき財務相は記者会見で、G20財務相・中央銀行総裁会議をめぐる日経の記事(「G20閉幕、中国に批判された『悪い金利上昇』」)について、「事前協議をやってないので、中国に批判されたようなことは全くありません」と否定し、署名した記者に根拠をただした。記者は取材源を明かさず、中国人民銀行の発表を挙げたと報じられた(アゴラ)。日経の記事は現在、「関係者によると、会議前の非公式な協議で」中国が主張したと書いている。日経による訂正の有無、人民銀行の該当する発表文、財務省の会見記録は10月16日時点で確認できておらず、どちらの説明が正しいかは確定していない。
【未公表の点(10月16日時点)】認証情報が盗まれた経路、攻撃者、183万件がどのサービスの利用者の情報か、漏洩した情報の悪用の有無。
【同じ時期の流出】9月下旬から10月にかけての流出の一覧と、各社の被害・補償の状況は「個人情報流出・不正アクセスの公表が相次ぐ(2026年9〜10月)」(/incident/24)にまとめている。
その後の経過
- 2025-01-31法人契約企業15社への閲読実績の過大報告を公表(3社で計174万5040円の過大請求)。
- 2025-11-04Slackへの不正ログインで1万7,368人分の情報が流出した疑いを公表。
- 2026-05-07米国子会社Nikkei AmericaのMicrosoft 365に不正ログイン、291人分が漏洩の可能性と公表。
- 2026-09-15広告冊子「THE NIKKEI MAGAZINE」の広告料金過大請求を公表(/incident/10)。
- 2026-10-02社説「パーク24の情報管理はずさんすぎる」を掲載。
- 2026-10-04Microsoft 365への不正ログイン(なりすましメール約9,000件)と、Google Workspaceへの不正ログイン(1,646人分)の2件を公表。
- 2026-10-11183万件の漏洩について個人情報保護委員会に報告。
- 2026-10-15片山財務相が会見で、G20をめぐる日経の記事の「事前協議」の記述を否定(日経の訂正は確認できず)。
出典
- https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/news/information/1561.html
- https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/news/information/1554.html
- https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/news/information/1547.html
- https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/news/information/1490.html
- https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/news/information/1393.html
- https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/news/information/1305.html
- https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/news/information/1539.html
- https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/news/information/
- https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD159VX0V11C26A0000000/
- https://news.yahoo.co.jp/articles/3112d82913238e363270f97482cce573a28d88f2
- https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK026BY0S6A001C2000000/
- https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB13BA70T11C26A0000000/
- https://agora-web.jp/archives/261015165052.html
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